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月7日間の棚卸しを「ゼロ」に!物流DXの先にある“働きやすさ”へ一般財団法人こゆ地域づくり推進機構

月7日間の棚卸しを「ゼロ」に!物流DXの先にある“働きやすさ”へ

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
宮崎県児湯郡新富町に拠点を構える 一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(通称:こゆ財団) は、ふるさと納税の運営や特産品開発、起業家育成などを通じて、地域経済の活性化を牽引する地域商社です。
同社が掲げていた大きな使命は、町の要請であるふるさと納税事業の拡大。農家やメーカーが生産に集中できるよう、梱包や出荷といった物流加工を一手に引き受ける産地物流拠点「ピッキングセンター」を運営していましたが、大量の梱包資材や食品の賞味期限を人力で管理し続けることには限界があり、事業拡大に向けた持続可能な仕組み化が急務となっていました。
こうした状況を改善するため、宮崎県の補助金制度も活用しながら、スパークジャパン株式会社をパートナーに迎え、DXプロジェクトがスタートしました。現在は、kintone を導入し、営業サイドと物流現場をリアルタイムに繋ぐ強固なオペレーションを構築しています。
今回は、業務執行理事の香川亮さん、マーケットデザイン戦略グループ長の鈴木伸吾さん、物流オペレーション・コントロール担当の黒木美紀さんにお話を伺いました。

抱えていた課題:業務を圧迫する「二重管理」と「手書き・人力による物流の限界」

私たちは特産品、たとえばマンゴーやライチを育てるプロではありません。一方でお客様からいただくご注文には毎日触れています。生産者さんの目標、こゆ財団の目標、全体を見渡し適切な役割分担して各々のできる事に力を注ぐ仕組みを検討した結果、行き着いたのがこゆ財団が生産者さんに代わり出荷作業を引き受けることでした。しかし、人力での管理には限界がありました。

営業サイドでは、自社商品やふるさと納税の発注リストをExcelで管理し、細かくフォルダ分けして転記する作業に膨大な手間がかかっていました。現場への出荷指示はすべて紙媒体で行われ、午前と午後にそれぞれ紙を持って片道5分のピッキングセンターへ頻繁に往復。急な訂正や差し替えが発生すると「どちらが正しい情報か分からない」といった混乱が起こっていました。

現場においても、商品や資材の在庫管理はすべて手作業のノート管理。月に一度の棚卸し時期には資材と原料を手分けして数えるために計7日間も費やしており、営業側が在庫を動かした際の情報共有漏れによる「数が合わない」というパニックや、確認の手間が大きな負担となっていました。また、以前は「うなぎ」と書く人もいれば「蒲焼」と書く人もおり、同一商品かどうかの判別すら困難な状態でした。手書きや人手に頼ったままで発送件数を増やそうとすれば、混乱が起きることは容易に予測できました。

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 業務執行理事 香川 亮さん

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
業務執行理事 香川 亮さん

導入の決め手:手厚い伴走支援とスモールスタートできる拡張性

地方の組織がDXを推進する上で、大きな鍵となるのが「初期投資の抑制」と「現場目線のカスタマイズ」です。他社との比較検討も行いましたが、スパークジャパン社を選定した理由は、既存事業への影響を抑えて低コストでスタートでき、後から機能を肉付けしていけるkintoneの拡張性と、何より手厚い指導体制を高く評価したからでした。

また、今回のプロジェクトを大きく後押ししたのが、宮崎県の「DX推進(デジタル・トランスフォーメーション)補助金」の存在です。この制度を活用できたことでコスト面でのハードルが下がり、組織として一歩を踏み出しやすい環境が整いました。

プロジェクトチームは、「うなぎ」のふるさと納税の取り扱い開始を機に、kintoneを本格導入。一般的なシステム導入にありがちな「マニュアルを渡して終わり」の対応ではなく、スパークジャパン社の担当者が現場と密にやり取りを重ね、私たちの「こうやりたい」「ここがうまくいかない」というリアルな声を迅速にシステムへ落とし込んでいきました。スタッフの不安や操作の戸惑いにしっかりと寄り添いながら、段階的に定着を進めていったのです。

リアルタイムに情報を可視化

 /><p id=【実際のUIイメージ】注文入力後、即時スケジュールで見える化される

  • 注文のリアルタイム可視化: 注文を入力するとカレンダー形式で見える化され、出荷準備完了などの日付管理やスケジュール調整が自動で完了。
  • 在庫管理の自動化と一元化: 送り状を発行すると、出荷数に応じて資材や原料が自動的に減算され、実数との不一致や二重管理を解消。
  • 一画面での物流一元管理:ふるさと納税の発送と自社商品の発送を一つの場所で管理。その日の全作業が一覧で見える化し、注文の漏れを撲滅。
  • 作業指示のデジタル可視化:翌日の出荷作業依頼をシステム上に入力。現場がそれを確認して自発的に動くため、現場への往復や口頭伝達が不要に。

導入効果:管理業務から現場を解放。本来の強みである「ピッキング作業」に特化へ

kintoneをベースとしたシステム導入の効果は、単純作業の削減だけに留まりません。
当初、PC操作に不慣れな40〜50代の現場スタッフからは「作業だけに集中したい」と戸惑いの声もあり、手探りのスタートでした。そこで「完了の数字を入力するだけ」のシンプルな運用から段階的に移行。その結果、実務を重ねる中でスタッフの苦手意識は次第に薄れていきました。何より、営業から出荷、資材管理までの物流オペレーションがkintoneへワンストップで集約されたメリットを、今では全員が体感しています。

黒木さん 「最初は現場の負担が増えるのではと不安でしたが、資材管理などの業務から解放されたことで、本来の強みであるピッキングに集中できる環境が整いました。」実際、これまで月7日間を費やしていた棚卸しや突き合わせ作業はなくなり、実数との目視確認のみに大幅短縮。事務所との往復によるロスタイムもゼロになり、効率的な物流マネジメントに向けた意識改革が着実に進んでいます。

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 マーケットデザイン戦略グループ  物流オペレーション・コントロール担当 黒木 美さん

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
マーケットデザイン戦略グループ 物流オペレーション・コントロール担当 黒木 美紀さん

ほかにもこんな効果が!!

業務時間の短縮と確認作業の効率化

毎月現場の大きな負担となっていた棚卸しや資材管理の作業が大幅に軽減。注文データの反映もタイムラグなく一元化され、確認や差し替えの手戻りがない環境が整いました。

社内ルールの整理と運用の明確化

システム設定を進める過程で、注文から発送までのモノの流れを改めて整理。「月・水・金で発送しよう」といった調整や、パートスタッフの仕事の割り振りが可視化され、休みの調整がしやすい体制づくりにつながりました。

データ活用の基盤整備

これまで点在していた自社商品の発注、ふるさと納税の注文、梱包資材の在庫などをデジタル上で一元管理。商品名の表記(「うなぎ」「蒲焼」など)も標準化され、必要な情報を一目で探しやすくなりました。

現場の専門性特化と心理的負担の軽減

営業と現場の作業が「見える化」されたことで、無理な押し付け合いがなくなり、お互いを思いやる良い雰囲気が誕生。スタッフが手先の器用さを活かしたラッピングや丁寧なピッキングといった本来の能力を一番活かせる現場へと進化しました。

今後の展開:DXは「働きやすい職場」と「地域への利益還元」を叶えるための手段

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 マーケットデザイン戦略グループ長 鈴木 伸吾さん

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 マーケットデザイン戦略グループ長 鈴木 伸吾さん

鈴木さん:「今回のDX導入がうまくいったポイントとしては、『優先順位を絞り、1から始めたこと』にあると思います。まずは『うなぎ』という1つの成功パターンを作り、それを他のアイテムへと横展開していくことで大きな相乗効果が生まれていくと確信しています。今後は蓄積されたデータを分析し、金額面なども含めたセカンドフェーズへと進めていきます。システムを使い続け、定着させる。そして『小さな一歩から少しずつ改善し、現場の負担を大きく減らす楽しさ』を共有しながら、さらなる未来の拠点展開や、地域への利益還元へと繋げていきたいと考えています。」

黒木さん:「パソコンに不慣れな人も多かったのですが、今では毎朝パソコンでスケジュールを確認する習慣ができ、パソコンから長文で詳しい報告をいただけるようになるなど、前向きな変化にとても助けられています。将来的には、今の規模じゃ足りないと言われるほど成長させて新しい工場を建て、財団を地域で一番働きやすい職場にしていきたいです。」

提供したサービス等の情報

主なサービス
  • kintone導入支援・物流オペレーション構築
導入製品
  • 『kintone』
    ※kintone、サイボウズ株式会社が提供する、プログラミングの知識がなくても業務アプリを簡単に作成できるクラウドサービスです。
kintone Premir Support